活動日誌について
今話題の科学情報やイベント、技術などについての話し合いや考察を、レポート形式でまとめて配信しています!学生ならではの視点でまとめているので、理系の知識が少ない人にも、解りやすく解説出来るように日々つとめておりますので、お気軽にご意見・ご感想を頂けますと幸いです!
close二次電池の過去と未来と問題
未来の車と社会今日は、二次電池のコストに関する話をする前に、二次電池の変遷をざっくりと確認をしてみました。それによって、なぜ今の様な二次電池の開発状況になっているのかが少し見えてきました!(新高文子)
理佳さんがため息なんて!
増税が結構響くなー・・・と
やっぱりじわじわお財布に響くなぁと・・・
最近漫画買いすぎて
お財布がすっからかん・・・
それは増税前も増税後も
関係ないじゃないですか。
削減してやりくりするか・・・
ダイエットと貯蓄一石二鳥!
済ませようとするんですか・・・
もっと計画的に生きて下さいよ。
逆に太るんですよ。
そんな!!
早く先日の続きの話を
したいんですけど。
こっちもコストの話ね。
コストの観点で、未来の
二次電池の方向性を整理すると
どうなるんですか?
未来のことを見通すと
コストも重要ですよね。
どうやってみるんだ?
未来の予想ってことですか?
横軸は、1kg当たりに
蓄えられるエネルギーの
量を示しているの。
エネルギー単位ごとの値段
を示しているの。
1kgあたり100Wh蓄えられる
という位置付近にあるの。
1Whあたり約1000円
の付近にあるの。
1000円×100で
10万円!!
ニッケル水素充電池も
そうやってみていくと
だいたい1kg当たりの値段は
約10万円付近になるのね。
1kgあたりの値段だけで見れば
リチウムイオン二次電池と
ニッケル水素充電池は
同じくらいですけど
エネルギー密度を見てみると
リチウムイオン二次電池のほうが高いから
重量あたりのコストパフォーマンスで言えば
リチウムイオン二次電池のほうが
優れているといえるのですね。
1980年代頃からだと思うのだけれど。
低コスト電池の本命と言われて
国策として
研究が進められていたの。
目を付けてるんだな。
NEDO関係ですか?
よく知ってるのね。
なんですか??
新エネルギー・産業技術総合開発機構。
日本のエネルギー環境分野と
産業技術の一端を担う
独立行政法人なの。
国策として立案して
事業化の見通しがたったら
民間企業に開発を進めさせる
形をとることがあるの。
ナトリウム硫黄電池も
現在はNEDOから
民間企業が引き継いで
開発を進めているの。
でも先日の話だと
劣っていると解っていることに
進んで着手や投資をすることは
ほとんどないって・・・・
ここに投資してるんですか?
矛盾する様な・・・
ちょっと混乱させて
しまったかしらね。
まず、二次電池の歴史を
少しお話しする必要が
あるかもしれないわね。
私もすこし整理したいです。
そのお話にしましょう。
詳しいお話は
また次回に。
また次回ですか!?
こっちにらまないでよ!
今回はめかちゃんも
聞きたいって言ったじゃん!
よろしく御願いします・・・
お話ししたと思うのだけど
鉛蓄電池は古くから
開発研究されていた
蓄電池なの。
ニッカド電池が開発されるの
確かこの図!
ここにはニカドってかいてありますけど
同じですよね!
しばらくそのニッカド電池が
二次電池の主流になっていくの。
国策でナトリウム硫黄電池の
研究が始まって
それと同時期くらいの
1990年頃
ニッケル水素蓄電池が
誕生したの。
リチウムイオン二次電池より前に
既にナトリウムが注目されてた
ってことですか!?
でも、この段階では
ナトリウム硫黄電池
と、しての研究開発しか
されていなかったの。
進められている間に
ポリアニリンを用いて
リチウムイオン二次電池が
ブリヂストンで開発されるの。
性能の二次電池が開発されりゃ
みんなそっちを開拓するのに
懸命になりそうだな。
ソニーの開発ね。
開発競争してたのですね。
ナトリウムも
注目されなくなりますよね。
結構最近の技術なのですね!
そして、そんな中
ナトリウムイオン二次電池に
改めて注目した研究者がいたの。
世の中の流れがリチウムイオン二次電池の
研究が盛んなところに
あえてナトリウムイオン二次電池に
注目するなんて!
確か東京理科大の方だったかしら。
リチウムイオン二次電池も
それだけ勢いに乗っちゃえば
どんどん開発も進むだろうし。
明らかに性能の限界が劣ると
解っちゃった上で
ナトリウムイオン二次電池に
手を出すのはおっくうだよな。
やっぱり研究とか開発とかは
前例や世の中の風潮とかも
大きく影響しますよね。
リチウムの地球上の存在量とか
コストとか、先のことをみれば
目の前のことに飛びつくのも
どうかと思いますけどねー。
もっとみんなよく考えましょうよー。
文子先輩が言っても
全く説得力無いですけどね。
開発しているやつですよね。
ってことなんだ!
究極に安い二次電池として
アメリカで研究開発が
進められているの。
どこかの企業が研究開発に
携わってたと思うのだけど・・・
日本でもたくさん
研究開発されていくんですか?
普及しないのではないか
と、言われてるの。
あるのだけれど
まず場所をとるの。
アメリカみたいな広い土地では
大きさは問題なさそうだけど
日本みたいな狭くて小さい土地では
エネルギー効率の悪いものなんて
需要なさそうだよな。
ただ、用途にもよるの。
例えば、風力発電の場所は
土地も広いでしょ?
コストが削減出来るなら
レドックスフロー電池を
使った方が良いかも
しれないわね。
そういう用途が明確だから
研究開発が進められているのですね。
大違いですね。
わたしの覚え書きだもん!
図で残しておくと
解りやすいかもしれないわね。
二次電池の変遷ですね!
文子先輩は、もっと計画立てて
生きるべきです。
漫画でも、売ったらどうだ?
お部屋掃除と、漫画を売るとで
運動出来て、お金も入る。
一石二鳥、ね。
1) 工藤徹一、日比野光宏、本間格、「リチウムイオン電池の科学」、内田老鶴圃(2010)
2) J.S.Thorne,J.R.Dahn,M.N.Obrovac,and R.A.Dunlap;J. Power Sources,216,139(2012)
3) Yangang Wang,Bo Li,Chengli Zhang,Hong Tao,Shifei Kang,Sheng Jiang, and Xi Li, J. Power Sources,219,89(2012)
4) S.Komaba,T.Ishikawa,N.Yabuuchi,W.Murata,A.Ito,and Y.Ohsawa,Applied Materials & Interfaces,3,4165(2011)
5) L.T.Lam,and R.Louey,J.Power Sources 158,1140(2006)
6) G.H.Newman and L.P.Klemann,J.Electrochem.Soc.,127,2097(1980)
7) 岡田重人、原聡、土井貴之、山本準一、硫黄と工業,62(9),131(2009)
8) S.Okada,H.Arai,and J.Yamaki,Denki Kagaku(Electrochemistry),65,802(1997)
9) A.Nadiri,C.Delmas,R.Salmon,and P.Hagenmuller,Rev.Chim.Miner.,21,537(1984)
10) P.G.Bruce and G.Miln,J.Solid State Chem.,89,162(1990)
11) Y.Uebo,T.Kiyabu,S.Okada,and J.Yamaki,The Reports of Institute of Advanced Material Study,16,1(2002)
12) C.Delmas,F.Cherkaoui,A.Nadiri,and P.Hagenmuller,Mater.Res.Bull.,22,631(1987)
13) T.Shiratsuchi,S.Okada,J.Yamaki,and T.NishidaJ.Power Sources,159,268(2006)
14) I.Gocheva,M.Nishijima,T.Doi,S.Okuda, and J.Yamaki J.Power Sources,187,247(2009)
15) T.B.Kim,J.W.Choi,H.S.Ryu,G.B.Cho,K.W.Kim,J.H.Ahn,K.K.Cho,and H.J.Ahn,J.Power Sources,174,1275(2007)
16) 第53回電池討論会(2012)福岡
【関連対話】
未来の車と社会 001:「車」と「みらい技術」
– – – – – – – – – –
未来の車と社会 004:二次電池の未来と問題
未来の車と社会 005:二次電池の過去と未来と問題(現在の記事です)
未来の車と社会 006:コストからみた各種二次電池の位置づけ
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