活動日誌について
今話題の科学情報やイベント、技術などについての話し合いや考察を、レポート形式でまとめて配信しています!学生ならではの視点でまとめているので、理系の知識が少ない人にも、解りやすく解説出来るように日々つとめておりますので、お気軽にご意見・ご感想を頂けますと幸いです!
closeめかちゃん!
こうしたも
ないですよ!
電池についてのレポートを
書かなきゃいけないって
話したじゃないですか。
それがどうしたの?
大変だね!
がんばってね!
そもそも前回文子先輩が
よけいな質問ばっかりしたせいで
全然詳しい話題に入れなかったのも
原因ですよ。
そんな・・・!
人のせいにするのやめろって。
忘れてためかも悪いだろ?
どうにかした方が
良いと思うけどな
今日は二次電池について
すこし未来を見据えた
お話をしましょうか。
覚えてるかしら?
はなしですね!
それぞれに
短所と長所があるの。
私が読んでいた
論文を参考に
作ってみたのだけど。
どうやって見るんですか?
表に楕円が配置されてますね・・・
さすがめかちゃん。
なっているのは
同じ二次電池でも
開発したメーカーによって
質に差が出てきてしまうの。
そういったことも含めて
理論的に計算されて
算出された範囲なの。
文子先輩とちがって。
すぐ絡むなって。
上に行けば行くほど
一度に放出出来る電気が高い
ことを示しているし
右に行けば行くほど
ためられる電気の量が多い
ってことですよね?
この図だけで判断すると
現在の技術では
自動車用途には
リチウムイオン二次電池に
絞られるように
見えるわね。
だけにならないんですか?
存在する量が
少ないんじゃなかったか?
以前聞いたことがあるのですが
すべての自動車に
リチウムイオン二次電池が
使用されたと仮定すると
地球上からリチウムが無くなる
という計算結果もあるそうですね。
それは困りますね!
地球上に存在する資源の
量を示したグラフですか?
新しい電池開発で
検討されている資源の
地球上に存在する濃度を
示したグラフなの。
素材なんですか?
こんなにいっぱい
種類があるんですね!
でも、これも
一部だけで
他にもまだまだあるの。
鉛とかニッケルとかも
ここに記してないけど
そうですよね!
今回は、リチウムを
比較したかったから
はぶかせてもらったの。
本当に少ないですね!
これは何に使用されて
いるんでしたっけ?
使用されてるの。
リチウムを自動車に使っちゃうと
なくなっちゃうんですか・・・
そこで、今
リチウムの代わりに
なるものとして
注目されている
資源があるの。
途方も無い数字ですね!
ナトリウムの電池は
どのあたりになるんですか?
ただ、たくさんあっても
他に長所がなかったら
どうしようもないですよね。
かなり近いですね!
これだけ近ければ
将来リチウムイオン二次電池ではなく
ナトリウムイオン二次電池が
主流になるってことですか?
そんなことも無いの。
多少劣ってるな。
軽量電池という観点でも
ナトリウムイオン二次電池は
リチウムイオン二次電池に
かなわないですしね。
明らかに劣っているという
結果が得られるものに対して
新しく積極的に研究開発に
着手することは
ほとんどないの。
確かに理屈では解りますけど・・・
目の前ではなく
もっと先の未来を見れば
このままリチウムを
大量に使い続けて行くことも
無理なんですよね?
未来の電池の発展の糸口が
目の前にありそうなのに
もどかしいような
残念な様な・・・
でも、まだ
ナトリウムイオン二次電池が
今後必要とされる
かもしれない
可能性は残っているの。
ナトリウムの存在量が
多いってことに着目すると
コストが大幅に下がる
可能性はあるな。
でも続きは
また今度。
もう終わりですか!
今日、これから実家で
父の会社関連の人達と
お食事会があるの。
さ、さすが金持ち・・・!
なんかすごそうな感じ・・・
違いますね・・・
そんなこと
ないのよ。
質問攻めにするから
あまり進まなかった・・・
そんな!
私のせい・・・?!
けんかすんな。
あたしはわりと
文子の質問のおかげで
有意義だったけど?
大好きです・・・!
確かに参考にはなりましたし・・・
レポートの方向性は
決められそうなので
別に良いですけど・・・
また次回に。
1) 工藤徹一、日比野光宏、本間格、「リチウムイオン電池の科学」、内田老鶴圃(2010)
2) J.S.Thorne,J.R.Dahn,M.N.Obrovac,and R.A.Dunlap;J. Power Sources,216,139(2012)
3) Yangang Wang,Bo Li,Chengli Zhang,Hong Tao,Shifei Kang,Sheng Jiang, and Xi Li, J. Power Sources,219,89(2012)
4) S.Komaba,T.Ishikawa,N.Yabuuchi,W.Murata,A.Ito,and Y.Ohsawa,Applied Materials & Interfaces,3,4165(2011)
5) L.T.Lam,and R.Louey,J.Power Sources 158,1140(2006)
6) G.H.Newman and L.P.Klemann,J.Electrochem.Soc.,127,2097(1980)
7) 岡田重人、原聡、土井貴之、山本準一、硫黄と工業,62(9),131(2009)
8) S.Okada,H.Arai,and J.Yamaki,Denki Kagaku(Electrochemistry),65,802(1997)
9) A.Nadiri,C.Delmas,R.Salmon,and P.Hagenmuller,Rev.Chim.Miner.,21,537(1984)
10) P.G.Bruce and G.Miln,J.Solid State Chem.,89,162(1990)
11) Y.Uebo,T.Kiyabu,S.Okada,and J.Yamaki,The Reports of Institute of Advanced Material Study,16,1(2002)
12) C.Delmas,F.Cherkaoui,A.Nadiri,and P.Hagenmuller,Mater.Res.Bull.,22,631(1987)
13) T.Shiratsuchi,S.Okada,J.Yamaki,and T.NishidaJ.Power Sources,159,268(2006)
14) I.Gocheva,M.Nishijima,T.Doi,S.Okuda, and J.Yamaki J.Power Sources,187,247(2009)
15) T.B.Kim,J.W.Choi,H.S.Ryu,G.B.Cho,K.W.Kim,J.H.Ahn,K.K.Cho,and H.J.Ahn,J.Power Sources,174,1275(2007)
16) 第53回電池討論会(2012)福岡
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未来の車と社会 001:「車」と「みらい技術」
– – – – – – – – – –
未来の車と社会 003:車に使われている電池の種類と違い
未来の車と社会 004:二次電池の未来と問題(現在の記事です)
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