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活動日誌

活動日誌について

今話題の科学情報やイベント、技術などについての話し合いや考察を、レポート形式でまとめて配信しています!学生ならではの視点でまとめているので、理系の知識が少ない人にも、解りやすく解説出来るように日々つとめておりますので、お気軽にご意見・ご感想を頂けますと幸いです!

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具体的な蓄電池の値段表で比較してみました

未来の車と社会

前回に引き続き、蓄電池のコストについて見てみました。今回は具体的な値段表を例として見ることで、技術開発に必要なポイントである「温故知新」も少し見えてきました!(新高文子)

対話

report of

みなさんいらっしゃいませ!
うぉ!
本当に1番先にいる・・・
ふふふ、こんにちわ。
文子ちゃん
先日遅刻しちゃいましたからね!
有言実行ですよ!
で!智恵先輩
先日言っていた他の資料って
もう出来てますか!?
本当に1番最初に来て
待機してただけなんですね・・・
文子はホントになんと言うか・・・
マイペースだよな・・・
智恵だって暇じゃないんだぞ・・・
あ、そっか・・・
確かに・・・
ごめんなさい・・・
ふふふ、大丈夫。
準備出来てるから。
さすがだなー・・・
これで特待生とか・・・
智恵はいつ自分の勉強してんだよ。
私なんか、やりたいことばっかりで
それと課題をこなすだけで精一杯なのに・・・
だから文子先輩と一緒にしちゃ
智恵先輩に失礼ですってば。
ですよねー!
笑ってる場合か・・・
今日の資料はどういった図なんですか?
自動車のバッテリーについて書かれた
鉛蓄電池のメーカーの方の論文から
引用したなのだけど
実際自動車メーカー
提案したときのものなの。
【図6】
鉛蓄電池・・・ですか??
なんでまたそんな古くからある
電池のメーカの人の論文から引用したんですか??
今は最先端の電池の話をしてるんですよね??
ふふふ、そうね。
でもちょっと
みてもらえるかしら?
これはアイドリングストップ機構
使うための電池のコスト比較表・・・ですか。
【図6】
アイドリングストップって・・・
以前の話にもあったキャパシタとかを
使っているって話の???
そうね。この図6
アイドリングストップ機構
各電池で実現した場合
かしらね。
ちなみにこの、上から順に
リチウムイオン二次電池を使用した場合の仮想
ニッケル水素蓄電池を使用した場合の仮想
既存キャパシタ
コストダウンのための新製品の提案
になっているの。
【図6】
一番上がリチウムイオン二次電池か。
んー・・・1220$か・・・
ってことは1$100円くらいだとして・・・
だいたい日本円で122,000円か・・・
一番下のウルトラバッテリー
見てもらえるかしら?
【図6】
ウルトラバッテリー・・・?
なんかすごそうな名前ですね!
ウルトラバッテリーというのは
鉛蓄電池改良品なの。
ここに並んでる電池は
みんな同等
アイドリングストップ機能
実現出来るものなの。
それにもかかわらず
リチウムイオン二次電池と比べて
ウルトラバッテリーでは
5分の1の値段で実現可能なのね。
【図6】
ウルトラバッテリー
だいたい日本円で22,000円か。
やっぱりそう考えると
リチウムイオン二次電池高いなー・・・
どれも同等アイドリングストップ機能
実現出来るんだったら
わざわざ最新技術使わなくてもいいってことか・・・
あれ?ちょっと待って下さい!?
鉛蓄電池ですか?!
だって今まで見てきたでは
性能が全然リチウムイオン二次電池とかには
追いつきそうに無かったじゃないですか!
ふふふ、そうね。
アイドリングストップ機構自体
最近の技術なのだけど
普通は、そういった新しい技術
最先端のものを使おうと考えるのが
一般的かもしれないわね。
でも技術開発では
こうやって古くからあるもの
応用して使えば
コストダウンが可能な場合があるの。
なるほど・・・
でもどうやって性能上げたんですか?
ウルトラバッテリー
鉛蓄電池キャパシタ
ミックスした様な蓄電池なの。
簡単に説明すると
鉛蓄電池電極
キャパシタみたいにしているの。
なるほど・・・
ミックスですか・・・
鉛蓄電池エネルギー密度上がらないけど
キャパシタ組み合わせることによって
瞬間出力エネルギー上げているってことか。
そうね。いつでも
先端の技術だけ
使われるとは限らないのね。
温故知新ですね。
あら、そうね。
めかちゃんの言う通りね。
温故知新??
商品開発には経済性
とても大切なの。
だから古い技術を生かしつつ
先端の技術を取り入れ
低コストで実現するということも
技術開発の発想には
とても大切なことなの。
まさしく温故知新ね。
じゃあじゃあ
ナトリウムイオン二次電池
そういう風に古い技術と組み合わせて
性能アップをはかろうってことも
考えられるんじゃないですか??
確かにな。
ただ単純に単体での性能
上げる研究だけでなく
そういうことも考え得るよな。
そうね。でも
ナトリウムイオン二次電池
まだそれが十分に
行われていないの。
じゃあやっぱり
我々研究開発しちゃいますかね!
結局そうなるんですね。
そんなことより
まずは赤点補講になった
般教の心理学でも
勉強したほうがいいんじゃないか?
ギク・・・・
理佳さん・・・・
なんで私が赤点をとったことを
知ってるんですか・・・・?
なぜって、そりゃ
でかでかと掲示板に
学籍番号名前が張り出されてたから。
今時名前まで張り出すなんて珍しいですね。
まあな、普通に出てれば
落とさないはずの講義だからな。
滅多なことが無いと張り出されないな。
なるほどー・・・
ぐむむ・・・
市場心理うまく汲み取れるように
しっかり勉強して
ナトリウムイオン二次電池
開発にでも生かして下さいな。
わーん!
めかちゃんイヤミだー!
2014年7月9日:参考文献

1) 工藤徹一、日比野光宏、本間格、「リチウムイオン電池の科学」、内田老鶴圃(2010)
2) J.S.Thorne,J.R.Dahn,M.N.Obrovac,and R.A.Dunlap;J. Power Sources,216,139(2012)
3) Yangang Wang,Bo Li,Chengli Zhang,Hong Tao,Shifei Kang,Sheng Jiang, and Xi Li, J. Power Sources,219,89(2012)
4) S.Komaba,T.Ishikawa,N.Yabuuchi,W.Murata,A.Ito,and Y.Ohsawa,Applied Materials & Interfaces,3,4165(2011)
5) L.T.Lam,and R.Louey,J.Power Sources 158,1140(2006)
6) G.H.Newman and L.P.Klemann,J.Electrochem.Soc.,127,2097(1980)
7) 岡田重人、原聡、土井貴之、山本準一、硫黄と工業,62(9),131(2009)
8) S.Okada,H.Arai,and J.Yamaki,Denki Kagaku(Electrochemistry),65,802(1997)
9) A.Nadiri,C.Delmas,R.Salmon,and P.Hagenmuller,Rev.Chim.Miner.,21,537(1984)
10) P.G.Bruce and G.Miln,J.Solid State Chem.,89,162(1990)
11) Y.Uebo,T.Kiyabu,S.Okada,and J.Yamaki,The Reports of Institute of Advanced Material Study,16,1(2002)
12) C.Delmas,F.Cherkaoui,A.Nadiri,and P.Hagenmuller,Mater.Res.Bull.,22,631(1987)
13) T.Shiratsuchi,S.Okada,J.Yamaki,and T.NishidaJ.Power Sources,159,268(2006)
14) I.Gocheva,M.Nishijima,T.Doi,S.Okuda, and J.Yamaki J.Power Sources,187,247(2009)
15) T.B.Kim,J.W.Choi,H.S.Ryu,G.B.Cho,K.W.Kim,J.H.Ahn,K.K.Cho,and H.J.Ahn,J.Power Sources,174,1275(2007)
16) 第53回電池討論会(2012)福岡

2014年7月9日:関連ページ

【関連対話】
未来の車と社会 001:「車」と「みらい技術」
– – – – – – – – – –
未来の車と社会 007:ナトリウムイオン二次電池の経済性と可能性
未来の車と社会 008:具体的な蓄電池の値段表で比較してみました(現在の記事です)

【関連レポート】
「東京モーターショー2013から探る未来の車」のレポート一覧

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